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見本の1本

あなたがこの文章を読んでいると信じている。

2/24(日)の日傘展の夕方、見本の日傘1本がなくなった。


夕方に気づいていたが、閉店後どこを探しても見つからない。
何かの間違いか、誰かが持っていったのだと思う。

この傘は商品ではなく見本だ。
春の展示会にどうにか間に合うように、昨年の10月頃から準備を進めてきた。

布作りというのは様々な人が関わり時間がかかる。

結局この傘の布が出来てきたのは、2月の21日。
翌日22日は朝から搬入のため、21日の昼間からすぐに取りかかり、見本の傘が仕立てあがったのは22日の朝7時頃だ。


まだ傘作りにおいて未熟な僕は、何度も試し張りをしては分解し、アイロンをかけて型紙を修正しまた張るという作業を繰り返し、傘の形を出していく。

ギリギリのスケジュールで工場が用意してくれた布は限られた量で、見本の1本を作るので精一杯だ。

それは何度も縫い直し、言葉は悪いけれど一部は強引に調整し、僕の感覚からすると実用としては売ることが出来ない、あくまで見本の日傘で、持ち手も試行錯誤を繰り返した1匹目がついている。


それは高い安いではなく、大切なものだ。


そうして出来上がった傘はどうにか初日の会場に並び、楽しみに足を運んでくださったお客様が手にとることができる。

会場に来たことがある人は知っていると思うが、それぞれ1本しか並ばない見本傘はみんなのもので、会場ではお客様同士で傘を譲り合うのも普通の光景になった。


そんな大切な1本がなくなった。


あなたが持っていったのは3万円の日傘1本という商品ではなく、僕達関わってきた人達の時間と仕事、これから会場に訪れる人達の楽しみである。

これを読んでもし何か思うなら、名乗り出てとは言わない、ただ、返してほしい。
あそこから持ち出す勇気と行動力があるなら、返す術はいくらでもある。


今まで懸念はしてきたが、うちのお客さんを信じて警戒をしてこなかったこちらにも非はある。

早い遅いは気にしない。返してくれたら、僕は許すだろう。

そして次に来場してくれたなら平等に出迎える。
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コメント 1

宮崎真理

とても残念なお話ですね(;_;)

ちょうどその日に友達と展示会に伺いました。
実は私も夕方伺っていて、友達と開きながら見させていただいていたのですが、なかなか1本だけ戻ってこなくて『結局戻ってこなかったね〜レジのあたりにあるのかね』みたいな話をしながら帰ってきました。

その傘だったのかはわからないですが戻ってくることを祈ってます!!

私も毎回展示会を楽しみにしているし、素敵な傘みんなにみてもらいたいです!!
by 宮崎真理 (2013-03-03 00:37) 

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